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勝手に朗読二日目

12月30日(木)
 今日は余裕もって歩道橋に行く、時間調整に阿部野橋駅の構内にいくと、シクラメンの鉢植えなど正月用の花と一緒に、正月の飾り物などが売っていた。歩道橋を渡り、天王寺駅に行くと海産物を売っていた。これも正月用品となるのだろうか。
 交差点の東側の北に天王寺駅があり、それと国道を挟んで反対側に阿部野橋駅がある。その二つの駅ビルの二階を、かなり幅広い歩道橋がつないでいる。その歩道橋の真ん中当り、西側の手すりに背を向けて、朗読を始めた。
 朗読を続けていると、阿部野橋駅の側からガードマンが私を見ている。時間帯の問題なのかもしれないが、今日は露天商やビラ配りなど全くいない。昨日警官が来たのは、阿部野橋駅の軒下に居たのでガードマンが通報したのではないのか、そんなことを思った。
 胸をはり、左手で本を顔近くの高さに保ち、本を黙読し、視線を本から離し正面を見ての朗読を心がけた。人通りはあつたが、目線を横切るばかりで、通行人の様子は分からない。何の声も掛けられない。ただ、朗読を聞いているかのように側に佇んだ人がいたが、視線の外だったので、何が目的で佇んでいたのか分からない。
 昨日と同じように二つの本を読んだ。朗読開始の時点では青い空が多かったのに、今は雲が覆い寒い、靴は底が薄い足袋靴なので、靴底から冷えてきた。警官が来たら、こう答えようと考えていたが、とうとう終了まで警官は現われなかった。

 白装束を自転車屋に置いていたので、そこから白装束に着替え三角公園に向って歩いて行く。途中、珍しい人に会う、ずっと姿を見なかった人で、急に居なくなり心配していた。
 夏まえだろうか、就職活動を色々しながら、やっと警備会社に入ったが、仕事が続けてなくて、そんな苦労を聞いていた。それがプッンと私の小屋に姿を見せなくなった。
 結局、腰が悪いこともあり、その警備会社は止めて、たまの現金仕事で喰い繋いでいるそうだ。

 三角公園周辺は随分にぎやかになっている。便所の側でチヂミをやいている。「ふるさと」前で衣類などのバザーをしている。アルミ缶などを買い取る仕切り屋にも多くの人がいる。そして、そこここで男たちが話をしている。
 今日は三角公園便所の向いシェルターを背に朗読を始める。まず観音経を25分程で読む。それから「寄場の冬」を朗読する。言葉一つ一つに反応して、同感してくれる。私の前ガードレールに寄りかかりながら話をしていた人々も、自分たちの話をしながらも、要所で「そうだ、そのとうり」などと言ってくれる。
 弱い面、なまけものの面を読むと笑ってくれる。途中で話し掛けられ、朗読を中断して、その人の話しを聞いた。その人が10円玉をくれたので「野宿生活春夏秋冬」の朗読用の原稿をさしあげる。
 こうゆう場所で読む機会を多くしなければと思った。話が長く成りすげた、夜も更けた、今日は終わりにしておく、また明日。
by juntyandes | 2004-12-31 06:27
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